フォクトレンダー ノクトン 58mm F1.4のレビュー 、高コスパでおすすめレンズ!
2018/06/05
フォクトレンダー NOKTON 58mm F1.4 SLII(旧モデル)のレビュー
今回はコシナの大口径単焦点レンズをご紹介します。これはすでに銘レンズとしてたくさんのレビューがあるように、味のある表現やボケは噂通り秀逸だと思います。そりゃ超高いレンズがあればデメリットも無く当然良く撮れるでしょうけど、お手頃価格で良い写りを目指すとこのレンズは候補になりうると思います。ちなみに現在は「フォクトレンダー NOKTON 58mm F1.4 SLII N」という改良型のモデルが主流ですが、敢えてピントリングがラバーの旧型(2007年発売)を安く手に入れてみました。寒冷地ではピントリングが冷えにくいためこちらのほうが撮影に向いているということもありまして。
というわけで実際に使ってみてのレビューをまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。ちなみにD750用に買ったのでニコンFマウントですが、問題なく撮影できますね。
レンズの詳細
・2007年発売 定価5万円 (現在は改良型あり)
・MF専用レンズ(ニコンAi-S用)
・レンズ構成:6群7枚、9枚絞り
・最短撮影距離:45cm
・サイズ:64.4x47.5 mm、320g、フィルター径58mm
どんなメリットが?
1、味のある描写・・・絞り開放ではカリカリし過ぎず、ほど良い解像感で雰囲気を捉えます。さらにF1.4の薄い被写界深度で背景を大きく美しくボカしてくれます。このボケがとても優しくナチュラルでとても好みでした。また絞って使えば風景にも使いやすいとても解像感ある描写へと様変わりします。しかもコントラストや色のりも高まります。これらを使い分けることで2度美味しい感じになると思います。しかし現代風のデジタル的な写りというよりはオールドレンズ的な感じの描写で、どこか色気のある写りになっていて、それがイイ感じの味として出てるのかなと思います。
2、絶妙な焦点距離・・・58mmなので標準域だけどちょっと長め、という絶妙な感じが自分としては使いやすいです。花やポートレートなどの撮影にも向いているし、スナップなどにも使える画角なので常用レンズになっています。
3、安い、軽い、カッコいい・・・ネットなら4万円台で購入可能という安さ、サイズ64.4x47.5 mm、重量320gという小型軽量の機動力、そして見た目のカッコよさ!こんな条件と性能がが揃ったレンズには今までなかなか出会えませんでした。D750に装着した感じもバランスが良く、お散歩にちょうどいいです。
4、操作感・・・ピントリングを回したときの適度な重さ、粘りみたいな感覚がクセになります。金属製のボディーの質感は触った感じも良いです。マニュアルフォーカスがとっても楽しいと思える操作感です。
デメリットは?
1、MFレンズである・・・自分はマニュアルフォーカスであっても苦になりませんが、AFに慣れている人にとってはデメリットなのかな、と思います。MFゆえに動きモノに対しては迅速に使える感じがしません。
2、最短撮影距離・・・これはまぁ普通なのかもしれませんが、最短45cmというのはちょっと遠く感じてしまうのです。もう10cmくらい寄れたら嬉しいかな、という欲が湧きます。ちなみにインナーフォーカスではないので最大約1cmくらいレンズが伸長しますのでチリなどの混入に注意です。
3、純正フードが付属しない・・・フードは別売りです。しかもずっと売り切れ状態。。こうなると仕方ありませんから、代用品などを集めましたのでページ下部で紹介します。
このレンズを上手く使いこなすには?
とにかく明るいレンズなので特に絞り開放(F1.4)での被写界深度には要注意です。ピント面が極薄になるため慎重に合わせないとボケボケを連発することになってしまいます。ただマニュアルフォーカスレンズということもありピント調節がしやすい感じになってますから、しっかりとピントリングでしっかり被写体に合わせれば大丈夫です。金属製のピントリングはすごく適度に回り、止めたいところで止まり、緻密にピントを合わせることができます。
また、フォーカスエイド(ピントが合っているとファインダー内で●マークが表示される機能)を参考にピントを追い込むことで正確に合わせることが出来ます。場合によってはLV(背面液晶表示)で見ながらの方が良い場合もあります。
手持ちで撮る場合は手ブレ補正が無いので注意です。SSは1/60程度を限界速度にすると概ね良さそうです。
レンズフード、レンズキャップの代用
純正フードが付属せず、しかも売り切れ状態。買えても定価5000円もしますから、代用品を考える必要があり、レンズ意外に以下の様なアイテムを購入してみました。
まずは安い汎用のねじ込み式レンズフード、それによって純正キャップは使えなくなるので追加でニコンのレンズキャップ、そしてレンズプロテクターの3種です。これならフードが付けっぱなしになってしまいますがなんとか使っていけそうです。
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(58mmのレンズフード内には、52mmのキャップがぴったり合います。フォクトレンダー純正は使用できなくなります)
ちょっと実写
レンズのボケ味をちょっとテストしてみました
上段左からF1.4、F2.8、F4、下段左からF6.3、F8、F13になります。開放のボケはとても理想的で、絞った時のパリッとした感じも気持ちよく、二面性を感じるレンズだと言えますよね。もちろん単焦点だけに解像感も良いです。
現像済みサンプル
まとめ
このレンズは個性的なのかもしれませんが、特性さえわかって使えばものすごい使い道の多いレンズだと思います。それにこの表現力、解像感、価格からしても絶対に持っていて損しないと確信します。カリカリだけの現代的描写に飽きた方、味のあるレンズを使ってみたいとお思いの方、もし興味のある方は改良型を試してみてはどうでしょうか?手に入りにくいですが、寒冷地では自分の様にラバータイプの旧式も良いかもしれませんね。
というわけで「フォクトレンダー NOKTON 58mm F1.4 SLII」のレンズレビューを終わります。ありがとうございました。
↓今回紹介したレンズの改良版の最安値は以下にあります。
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